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| 『白いメシ』 僕は、小学校一年生の時からバスケットボールをやっていますが、どちらかというと背も低くて細い方です。そんな僕に、父はいつも 「白いメシをたくさん食え。」 と言います。食事の時ももちろん、 「何しろ白いメシを食え。たくさんおかわりしろよ。」 の連発です。そういう父はといえば当然大の「白いメシ」好き。どんぶり二杯は食べます。 父の食べッぷりに圧倒されていた僕も中学生になり、父に負けないくらい食べるようになりました。父は、 「よく食べたな。おりこうだぞ。」 と、小さい子供に言うようにほめてくれます。なんだか少し照れるけれど、ほめられるのがうれしくて、余計張り切っておかわりしたりします。 「そんなに食べて大丈夫なの?」 と母は目を丸くしていますが・・・。 父は五月から単身赴任しています。急に決まったので、バタバタしました。出発の日、見送って家に入ると小学一年生の弟は母に抱きついて泣いてしまいました。その姿を見て僕もさみしくなり涙が出てきました。 母と僕と弟の三人の生活が始まりました。今までと一番変わったのは食事です。 まずメニューが変わりました。 「あるものでいいね。」 と母が言うことが多くなり、ご飯が少ない時はパンやめん類を食べるようになりました。母はどちらかと言うとご飯派ではないのでそれでも平気なようでしたが、僕には少し物足りなく感じました。そして一番感じたのはさみしさです。父がいない食卓は静かで何となく食欲がわかず、おかわりする元気が出ません。僕の食べる量も少し減ってきてしまいました。 父が単身赴任してから一ヶ月経った頃、 「お米がいつもの半分も減ってないよ。」 と母が言いました。今までは十キロのお米がちょうど一ヶ月で無くなったのに、今月はまだ半分も残っているというのです。 「お米が減らないから買わなくてすむんだけど・・・なんかうれしくないね。今日からはちゃんとお米を食べようね。」 母は少し反省したように言いました。僕もしっかり食べなきゃと思いました。時々帰ってくる父にパワー全開の元気な姿を見せたい。 「大きくなったな。」と言われたくて「白いメシ」をたくさん食べるようになりました。今ではどんぶり二杯復活です。 今は一緒に食卓を囲む日は少ないけど、父は毎晩電話でお決まりのセリフを言います。 「白いメシ食ったか?」「おかわりしろよ。」と。 耳にタコができるほど聞きなれているけど、とびっきりあったかい父の言葉です。 お父さんありがとう。「白いメシ」おいしくたくさん食べてるよ。早くお父さんより大きくなるようにもりもり食べるからね。お父さんもどんぶり三杯メシで元気に仕事頑張ってね。 |
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