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WTO農業交渉をご存知ですか?

いま、世界では農業をはじめとする各分野の貿易に関する国際ルールづくりの話し合いが行われています。WTO(世界貿易機関)(※1)はそれを検討し、取りまとめる機関です。その中での農業や食に関する分野の話し合いを「WTO農業交渉」といいます。

毎日あたりまえのように食べているお米や肉、野菜、果物の全てが日本で生産されたものだと思っていませんか?日本はいま、食生活の半分以上を輸入に頼っています。食料自給率も先進国最低の40%(1998年度)にまで下がっています。(※2)昨年3月には、「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定され、2010年度までに目標を45%と設定し、その達成に向け政策展開が図られています。

農業交渉への日本の提案は、
1.「世界的な農政上の課題としての農業の多面的機能」
2.「食料安全保障の追及」

を基本的な重要事項として挙げています。

※具体的なポイントは次のようになります。

◆農業の役割は、単に食料を生産するだけではありません。国土保全や豊な自然を残すためにも地域社会、地域の農業を守っていきたい。

◆「食」はかけがいのない生命の源。将来に渡って、安定した食料供給と安全な食生活の確保が何よりも大切です。

◆農地面積、生産環境は世界各国それぞれ違います。だからこそ、各国の事情を踏まえた上で、農産物輸出入の公平なルール造りを策定したい。

◆地球上に飢えに苦しむ人は8億人。その現状を踏まえ、食料安定供給などの観点から、途上国への配慮や応援が必要。

◆安心・安全な食は、生活者の世界共通な願い。私たちは世界一の食料輸入国だからこそ国内生産物とともに「安心を確認できる食生活」を送りたいのです。

JAグループから日本の「農」を伝えます。

農業はなくてはならないもの。

安全を求める心。

フェアな貿易ルールを。

地域には地域のおいしさがある。

それぞれの国にふさわしい配慮を。

※1
1995年に発足。世界148(2003年12月現在)の国と地域が加盟。WTOの前身であるガット(関税及び貿易に関する一般協定)では、多角的貿易体制を維持発展させるため、ラウンドと呼ばれる貿易交渉を重ねてきました。86年から94年に行われたウルグアイラウンド交渉の結果、WTOはガットを拡大強化し、新ルールを運営する機関として設置されました。

※2
他の主要先進国を見ると、米国132%、フランス139%、ドイツ97%と、我が国ほど低い国は他に見あたりません。日本の食料自給率は、1970年度は,60%ありました。それが、80年度には53%に下がり、98年度は40%にまで落ち込んでしまいました。穀物だけみると27%にすぎません。まさに異常な状態です。日本を除くサミット参加国にこんな国はありません。